HypnoBirthing®︎とは
ヒプノバーシング・モンガン・メソッドは、「催眠=深いリラクゼーション」のテクニックを使って、女性が本来生まれ持っている自然の出産能力を最大限に発揮できるようにする出産準備プログラムです。ヒプノバーシングでは、安全で優しく、心地よいお産をするために女性に本来そなわっている自然の本能を使う方法を学んでいきます。
本来女性の体は、子宮の筋肉、骨盤、産道、そしてホルモンが調和して働くことによって、自然に穏やかな出産ができるようにできています。でも、お母さんが恐怖や不安を感じていると、体の筋肉が緊張して本来の働きができず、強い苦痛を感じたり、お産の進みが遅くなったりしてしまいます。
ヒプノバーシングでは出産の仕組みを理解し、いかにその働きに身を任せるかを学びます。自己催眠、リラクゼーション、呼吸法によって恐怖や不安を解放し、体を完全にリラックスさせる方法を学び、練習していきます。心と体が完全にリラックスしたときに、本来の出産能力が最大限に発揮されるためです。
また、様々な研究によって、赤ちゃんはお産の最中はもちろん、お腹にいるときから外の世界の音や明るさ、雰囲気、お母さんの感情などを感じ取ることができることが分かっています。そのため、ヒプノバーシングでは、妊娠中から親子の絆(きずな)を深めることを大切にしています。
ヒプノバーシングは、出産のテクニックであるだけではなく、哲学でもあります。出産が医療の助けを借りて行われるのが当たり前の今日において、ヒプノバーシングによるナチュラル出産は時代を先取りする出産スタイルですが、同時に、実は何千年も前に存在した古い出産哲学の『再生』でもあるのです。
ヒプノバーシングの歴史
ヒプノバーシングは1989年にアメリカで始まりました。ヒプノバーシングの創始者はMarie Mongan(マリー・モンガン)。彼女自身、4人の子供を出産しています。
1954年にマリーが初めて妊娠した当時、アメリカでは、母親に全身麻酔をかけ、意識を失わせた状態で鉗子によって赤ちゃんを引っ張り出すというお産が一般的でした。そのような出産に疑問を感じ、いろいろな文献を読みあさっていたマリーは、1920年代に書かれたイギリスの産科医ディックリード医師の著書に出会います。そして、「通常出産の場合、恐怖心や緊張さえなければ出産に強い痛みは伴わない」という理論に深く共感します。
しかし、最初の2人のときは、マリーが完全にリラックスして苦痛のないお産をしていたのにも関わらず、病院のポリシーにより、彼女の意志に反して麻酔で意識を失った状態で鉗子を使っての出産となってしまいました。自分の出産なのに自分の希望通りにならないことにがっかりしていたマリーは、3人目を妊娠した時には、今度こそは、と強く希望を主張し、ついに麻酔を使わず自然でおだやかな出産を達成します。そして当時、父親は病室に近づくことさえできないのが一般的なところ、異例の立会出産も実現させています。
その後HypnoTherapist(催眠療法士)の資格を取ったマリーは、ディックリード医師の理論と自己催眠や呼吸法を組み合わせてヒプノバーシングのメソッドを作り出しました。1990年にマリーの長女が初めてヒプノバーシングのメソッドを使って出産し、それ以後、世界各国(現在世界47カ国)でHypnoBirthing Babyが誕生しています。